「ビスポーク香水を頼むと、どんなことが起きるのか」という質問をよくいただきます。魔法のように香りが生まれるわけではありません。ヒアリング、素材選び、計量、試作、熟成という工程があり、それぞれに理由があります。ここでは、Bay Blend Vaultでのビスポーク調合の全工程を順番に説明します。
第1工程:90分のヒアリング ¶
最初の90分は、香りの話をほとんどしません。どんな場所が好きか、どんな季節に気分が上がるか、最近印象に残った匂いは何か。そういった話を聞きます。「ムスクが好き」という情報より、「祖母の家の押し入れの匂いが好き」という情報の方が、設計に使えます。ヒアリングシートに記録し、終了後に素材の候補リストを作ります。
第2工程:素材の選定と配合設計 ¶
ヒアリングの内容をもとに、使用する素材を10〜15種類に絞ります。トップ、ミドル、ベースの構造を設計し、配合比率の初稿を作ります。この段階では紙の上の作業です。素材の揮発速度と相性を考慮しながら、比率を調整します。初稿の配合は、経験上、最終版から20〜30%変わることが多いです。
第3工程:試作と調整 ¶
初稿の配合で小量(約5ml)を試作し、24時間後に確認します。アルコールが飛んだ状態で香りを評価するためです。調整が必要な場合は比率を変えて再試作します。ビスポーク調合では平均2〜3回の試作を行います。お客様に試作品を確認していただく場合は、この段階でご来店いただきます。
第4工程:本調合と熟成 ¶
試作が確定したら、50mlの本調合を行います。全原料を0.1g単位で計量し、配合シートに記録します。調合後は遮光瓶に移し、14日間の熟成期間に入ります。熟成中は温度と湿度を管理した棚で保管します。熟成が終わったら最終確認を行い、問題がなければボトリングして出荷します。
完成後のサポート ¶
配合データは5年間保管します。同じ香りの再調合、または配合を少し変えたバージョンの作成も可能です。香りの感想や、使っていて気になる点があれば、いつでもご連絡ください。配合の微調整は、初回調合から1年以内であれば追加料金なしで対応しています。
ビスポーク調合に興味がある方は、まず試香の予約からどうぞ。初回のご相談は無料です。橘 誠一接対応します。